はじめに

肺炎と診断された場合に外来で治療をするか入院で治療をするかはどのように判断されるのでしょうか。

肺炎の重症度を判定するために日本で使われるているものにA-DROPスコアがあります。

このA-DROPスコアを計算して重症度を判定することで、外来で治療を行うか入院で治療を行うか、また入院治療であれば一般病床で治療を行うかICUで治療を行うかを判断できます。

この記事ではA-DROPスコアの計算の仕方を解説しています。

A-DROPスコアの計算の仕方

A-DROPとは5つのチェック項目の英語の頭文字をつなげたものです。

日本呼吸器学会A-DROPスコア

  • A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
  • D(Dehydration=脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水あり
  • R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
  • O(Orientation=見当識):意識障害あり
  • P(Pressure=血圧):収縮期血圧 90mmHg以下

上記の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目に該当すれば2点というように計算し、点数をつけます。

5点満点です。

スコア0は軽症であり、外来治療となります。

スコア1~2は中等症であり、外来治療か入院治療のどちらかになります。

スコア3は重症であり、入院治療となります。

スコア4~5は超重症であり、入院してICUで治療します。

肺炎の場合、外来で治療を行うか入院で治療を行うかはこのようにA-DROPを用いて判断されています。

A-DROPスコアを計算するときの注意点

  1. ショックがある場合、すなわち、収縮期血圧 90mmHg以下でPの項目に当てはまる場合、1項目のみの該当でも超重症(スコア4~5)に相当します。
  2. 呼吸は酸素投与をしていない状態で評価します。

CURB-65

他に肺炎の重症度を判定して入院治療か外来治療かを判断する指標にCURB-65というものもあります。

CRUB-65も4つのチェック項目の英語の頭文字と数字をつなげたものです。

  • C(Confusion=混乱):意識障害あり
  • U(Urea=尿素):BUN 20mg/dl以上
  • R(Respiratory rate=呼吸回数):呼吸回数 30回/分以上
  • B(Blood pressure=血圧):収縮期血圧 90mmHg未満または拡張期血圧が60mmHg未満
  • 65:65歳以上

これらの5つの項目のうち、2項目以上当てはまる場合には入院しての治療がおすすめされます。

該当なしか1項目しか当てはまらない場合、軽症と判断されますので、外来治療がおすすめされます。

CURB-65については、

CURB-65で肺炎の重症度を判断し、入院治療か外来治療かを決定する

でも解説しています。

CRB-65

CURB-65スコアのUの項目はUreaでBUN(尿素窒素)のことです。これは血液検査をしないと調べられません。

BUNを調べることが難しい状況で重症度を評価するために用いられるのがCRB-65です。

CRB-65はCURB-65からUの項目をなくした4つの項目から計算します。

  • C(Confusion=混乱):意識障害あり
  • R(Respiratory rate=呼吸回数):呼吸回数 30回/分以上
  • B(Blood pressure=血圧):収縮期血圧 90mmHg未満または拡張期血圧が60mmHg未満
  • 65:65歳以上

CRB-65スコアが0点であれば外来治療がおすすめさます。1点または2点であれば病院の紹介や評価がおすすめされます。3点または4点は緊急入院が必要です。

PSI(Pneumonia Severity Index)

PSIもA-DROPスコア、CURB-65スコアと並んで市中肺炎の重症度評価に用いられる指標です。

下記の表の表1と表2がPSIです。

出典:連載●市中感染症診療の思考プロセス IDATEN感染症セミナーより/medicina45/6

年齢や合併症の有無、身体所見、検査およびレントゲン所見の該当項目を足して計算し、その点数によってクラスⅠからクラスⅤに分類します。

一般にクラスⅣとクラスⅤは入院治療が必要で、死亡率も高くなります。

A-DROPスコアについての練習問題

A-DROPスコアについて、

第107回医師国家試験B問題39
第109回医師国家試験G問題41
の問題を解くとしっかりと理解できているかを確認できます。

まとめ

市中肺炎の重症度を評価する指標である、A-DROPスコア、CURB-65スコア、CRB-65スコア、PSIについて解説しました。また、知識確認のための練習問題として医師国家試験の過去問題もご案内しました。